ぼくらのハーモニー Ⅲ
リハーサル時間はあっという間に感じられていた。
愛華はなんの緊張もしていなかった。
「練習どおり。」
その気持ちだけだ。
「いい演奏しよう。」
そういって柚希はみんなに呼びかけた。
ステージ裏。
前の学校は県大に進む強豪校。
毎年県大に出場していた。
そんなあとで演奏できるのか。
不安になる人も居た。
「さあ、しまっていこう。」
柚希はそういって舞台に上がった。
「先輩。いけますよね・・・私達。」
「いけるよ。朱莉。」
「頑張ろう。ぶちかまそう。」
「・・・はいっ。」
《40番 第一台中学校吹奏楽部。 スコットランドの旋律ピスガによる変奏曲。指揮 田中敦子》
拍手が鳴り響く。
いいホールじゃん。
みんなが思った。
先生が口パクでいった。
「できる」
と。
みんなは笑顔になった。
そして・・・
クラリネットの旋律が始まった。