ぼくらのハーモニー Ⅲ

リハーサル時間はあっという間に感じられていた。

愛華はなんの緊張もしていなかった。

「練習どおり。」

その気持ちだけだ。

「いい演奏しよう。」

そういって柚希はみんなに呼びかけた。

ステージ裏。

前の学校は県大に進む強豪校。

毎年県大に出場していた。

そんなあとで演奏できるのか。

不安になる人も居た。



「さあ、しまっていこう。」

柚希はそういって舞台に上がった。













「先輩。いけますよね・・・私達。」

「いけるよ。朱莉。」

「頑張ろう。ぶちかまそう。」

「・・・はいっ。」




《40番 第一台中学校吹奏楽部。 スコットランドの旋律ピスガによる変奏曲。指揮 田中敦子》

拍手が鳴り響く。

いいホールじゃん。

みんなが思った。

先生が口パクでいった。

「できる」

と。

みんなは笑顔になった。

そして・・・

クラリネットの旋律が始まった。
< 105 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop