ぼくらのハーモニー Ⅲ
4 ryota kurihara
「なぁ…、柚希ちょっといい?」
俺は、キーボードを一生懸命弾こうとしている柚希に言った。
「今、いそがしい。」
「・・・だな。」
・・・俺にまで冷たくすんなっつーの!
・・・おいおい。
ホント、どうなんだよ!
原ッ!
俺は、柚希が来る前のことを思い出した。
「お前、すごいな。」
「まぁ普通なんじゃね?」
「楽譜読めるんだ。」
「吹奏楽はいってんだぞ・・・。」
「・・・柚希どうすんだよ。」
「どうって、もういいよ。」
「・・・ほんとに?」
「・・・・何が?何言いたいの?」
「ほんとにいいのかってこと!」
「は?」
「・・・・・・・・・そんなもんかよ。」
「は?」
「・・・・・・お前そんな軽い気持ちだったのかよ!柚希のことそれしか考えてなかったのかよ!」
「んなこといったら!あいつだって同じだろ!」
原は、立ち上がった。
「自分が大変だからって勝手に別れて!所詮こんなもんなんだよ!中学生の付き合いなんてこんなものなんだよ!」
「・・・・それはどうなんだよ。」
「違うのかよ!俺は、あんな付き合いしかできない奴だとは思ってなかったよ!なのにあいつがそうしたんだろ?!」
「・・・。」
「お前が、あいつのことすきなら、告れよ。」
「ッ!」
「もう、俺には関係ないから。」