私と彼の歩く道


優子ってば、顔に出過ぎだよ。


さすがに、ちょっと気まずい。


郁斗は、無表情で優子を目で追っている。


マズイ!


目をつけられちゃ、大変よ。


「郁斗、どうしたの?」


自分に注意を向けさせようと、必要以上に声が大きくなる。


「あ、ああ。香織が見えたから、声かけただけ」

「え~?何よそれ」


大きなため息が、思い切り漏れた。




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