俺と先生のイケナイ関係
息子…？





「その息子さんが、この前美紅が会ってたっていう“遠山さん”ってわけ。」

「………！！」



遠山の存在の意外な事実に、俺は驚きを隠せない。







「私はそのおじさんの息子さんである遠山さんに…全て説明したわ。遠山さんは私の話を聞くまで、そんなこと知らなかったみたいだけど…」

「でも遠山さん…最初は『親父が亡くなったんだし、お金の返済はいらない』って断ったんでしょ？」

「うん。…でもそんなわけにいかないから、何度も何度もお願いして、ようやく折れてくれたのよ。ただし返済するお金は、うちのお父さんの葬式代とお墓代だけでいいって言ってくれてね…」

「そうそう。私たちを高校に行かせてくれたお金や生活費の分は、きりがないからいらないって言ってくれたんだよね」


懐かしむように言う、美和さんと美香さん。

澤田は俺の横で「うんうん」と頷きながら、ちびちびとビールを飲んでいた。




…そうだったんだ。

澤田たちに、そんな過去があるなんて全然知らなかった…






「だからね…今も私たちは、毎月の給料日にお金出し合って、助けてくれたおじさんの息子の遠山さんに、お金を返済してるってわけ。」

「そうそう。でもって〜遠山さんにお金を渡すのは、彼氏のいないさみし〜美紅にお願いしてるってわけ〜♪」

「うっさいっ！」



澤田が、美香さんの頭を割り箸で叩く。
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