Rose of blood *short story*
レイドは恐らくあの女の血が欲しいのだろう。


奴が今裏で何をしようとしているのか、俺が気づいていないとでも思っているのだろうか。


馬鹿な男だ。


そんなにこの席が欲しいなら、いつでもくれてやるというのに。



『俺は別に望んでこの地位にいるわけではない…流れに身を任せているうちに座ってしまっただけだ……』



だが、ここの奴らにはそんな事関係ないんだろうな。


ここにいる奴らが何をしているのか、正直俺は全てを把握していない。


各自好きにすればいいと思っている。


なに一つ興味はない。


いや、ないはずだった…あの女がここに来るまでは……。





< 124 / 135 >

この作品をシェア

pagetop