Rose of blood *short story*
呪文を唱え、鏡に自分の力を少しずつ流し込む。


この部屋には自然とローズの力もたまってしまったようで、空間を繋ぐのにはあまり時間がかからなさそうだ。



『出来ました。見た目は何も変わっておりませんので、見たものに変に思われることはないかと思います』

『…これで、瑠花に会えるんですね』

『はい』

『ローズにはまだお二人の事は秘密にしておきます。式の日に驚かせたいので』



俺の言葉にお父上は笑って見せた。


その笑顔につられ、俺もお母上も笑顔になる。



『お二人とちゃんと話が出来て良かったです』

『たくさん失礼なことをしてしまったのに、毎日来て下さって本当に感謝しています』

「本当にありがとうございます」

『いいえ、それでは何かありましたらいつでも遠慮なくご連絡下さい』



ご両親と笑顔で話すことができて本当に良かった。


結婚式がある意味待ちどうしくてたまらない。





< 85 / 135 >

この作品をシェア

pagetop