Rose of blood *short story*
*****


ベッドの中で愛しいローズを抱きしめる。


ここ最近はローズはずっと子供に付きっきりで、俺は仕事だったりで、こうやってゆっくりと抱きしめる時間がなかった。



「今日はなんだかいつもよりご機嫌さんだね」

『そうかな?』

「そうだよ、シエルがご機嫌だからか、子供たちもいつもよりご機嫌だったもの」



職務中は決して感情を表に出してはならない。


その反動なのか、家族や友人と一緒にいるときはどうやら感情が表にでてしまうようだ。



『結婚式が楽しみでしょうがないんだ』

「私も楽しみ。ウェディングドレスを着て、シエルの横に立てることが嬉しいの」

『幸せな結婚式にしよう』

「えぇ」



俺はローズの唇に自分の唇を重ね、触れるだけのキスをした。


その日はローズと異世界のご両親が幸せそうに笑っている夢をみた。





fin.

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