欲望チェリ-止まらない心
「な…何かお手伝いさせてください」


あたしはガタッと矢嶌紅の近くに座る。


「何を…したら良いですか?」


声が震えながらもあたしは帰らなかった。


認めてもらいたい。


認めてもらえるように頑張ろうって決めたとこだもん。



矢嶌紅は目だけであたしを見ると



「…これやって」


バサッと資料の半分をあたしの前に置いた。


「は、はい!」


そしてあたしは、矢嶌紅の隣で黙々と仕事にとりかかった。









―――――――…
―――…





ブラインドのかかった窓の外では西日が消えかかっていた。


時計の秒針がカチコチと鳴り響く生徒会室。


あたしは大量の資料に必死に目を通していた。


だけど…なかなか仕事が進まない。







そんなあたしの隣で、矢嶌紅は資料をまとめ終えるとトントンと揃えた。


その仕草にあたしの心臓はドキッと跳ね上がる。


どどどうしよう…!


もう終わっちゃったんだ!



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