欲望チェリ-止まらない心






静かな生徒会室に、あたしと矢嶌紅の二人きり。



あたしはモグモグ食べる口の音が矢嶌紅に聞こえそうで、ドキドキしていた。






しばらくして


ふと突然、矢嶌紅が口を開く。


「お前イジメられてんの?」


「…え?」


矢嶌紅は手を止めると、資料からあたしに視線を移した。


クールな瞳は何を考えてるのか分からない。




「い、イジメなんか…受けてません」


あたしはカァッとうつ向く。


だけど嘘だってバレてるだろうな。


あたしはそういう状況を矢嶌紅に見られ過ぎてる。





しかし


「あっそ」


矢嶌紅は興味なさげな返事をすると、また資料に向き合った。















「美味しかった…」


あたしはお弁当を完食した。


ご馳走様、とあたしは手を合わせてお弁当を片付ける。


すると


矢嶌紅もガタッと立ち上がり、資料を棚に直した。


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