欲望チェリ-止まらない心

「………??」


あ、あれ??



あたしは通り過ぎた3人を振り返る。


3人は萌菜ちゃんの机に集まると、いつものように賑やかに雑誌を見始めた。


「…………」


時計を見ると、あと5分で授業が始まる。



5分なら…いいや。



「授業の準備でもし~とこっと…!」


そんな言い訳、誰も聞いてないのに。


あたしは少しこわばる顔を笑顔で隠して


わざといつもよりゆっくり教科書の準備をした。










次の時間は移動教室だ。


なんとなく…あたしは萌菜ちゃんの席を振り返る。


いつもなら移動教室は4人で…


だけど


3人はあたしを見ることもなく教室を出ていってしまった。


「…………」


やっぱり…なんかおかしい。


鈍感なあたしでも気付く。


これって……無視、だよね?


心臓がドクドク嫌な音をたて始める。


あたし…何かしたっけ?


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