欲望チェリ-止まらない心
「…………」


残されたあたしがふと周りを見ると


そんなあたしを見ていたのか、クラスメイトと目が合った。


しかし、その視線はすぐにそらされた。






え………?


な、なんで???










「は、早く行こ!遅刻しちゃうよ」


「う…うん!」


クラスメイトは気まずい顔をしてパタパタと廊下に出て行った。



「……………」


なに???

今の……なに???


あたしはそのまま立ち尽くしていた。










キ―ンコ―ンカ―ン…








一人残された教室に鳴り響くチャイム。







「お?橘一人でお前なにしてんだ?」


「……え?」


あたしが廊下に目をやると


別クラスに授業に向かう途中らしい担任が廊下からあたしを見ていた。


「次は移動だろ?」


「え?……あッ!!」


担任の声にあたしは我にかえる。


いけない!

遅刻だ…!!


あたしは担任に頭を下げると、慌てて移動教室へ向かった。






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