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焦り

それから高弘はできるだけそばにいてくれた。



「もしもし、朱莉。」


「今日、仕事終わったら、ソッコーで向かえに行くから。」


「遅刻するなよ。」



「あはは。」


『それはこっちのセリフだよ。』


「あ。そうだよな。」

「あはは。」


「じゃあな」



今日は、私達の2ヶ月記念日だ。


外にでると雨が降りそうな空だった。


《急ごう。駅まで走った。》


私は、病院をさぼらず通っている。


《はやく普通になりたい》

{病院はすごく混んでいた}


{佐伯さん。どうぞ。}

「こんにちは。香川先生。」


「あら。佐伯さん。」


「今日は元気ね。」


『今日2ヶ月記念日なんです』



「あら彼氏とうまくいってるのね」


『はい。』


『だから早く普通になりたいんです。』



『仕事も復帰したいし。』


「そうね。でも焦ってはだめよ。」



「ゆっくりやりましょ。」


「彼氏もわかってくれてるんでしょ」


『でも彼女がうつ病でいいなんて思う人なんていないし』


『早く高弘とつりあう彼女になりたいんです』



「佐伯さんは、少しづつよくなってるから大丈夫」



「でもまだクリアになってないこともあるわ」


「けして焦らないで」
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