【短編】メガネ女の悲劇
玄関でヒールのサンダルを履く。
「それじゃ…お邪魔しました……」
「また来て下さいね」
うん。間違っても、二度と来ませんよ。
「俺で良ければ、また相手しますから」
な、なんてこと言うんだ!
「結構です!!さようなら!」
玄関のドアを開けて優斗くんの家を出る。
ドカドカ歩いて数メートル先にある、あたしの家の扉に鍵を差し込んだ。
「ひとつ忠告!」
優斗くんの声にふてくされながら振り向く。
「可奈さんの彼氏。最低な奴だよ」
ジュンが最低……?
彼のその言葉にムッとした。
「ご忠告ありがとう。でも優斗くんはジュンのこと何も知らないじゃない!」
優斗くんを睨み付けてから家に入った。