【短編】メガネ女の悲劇
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ピンポン!
ピンポンピンポンピンポン……
「はい?どちら様……って可奈さん!?」
「えへへ♪ゆーとくんっ、きひゃった~」
「……酔っぱらってるの?」
ジュンにムカついたあたしはまたやけ酒。
そしてまた優斗くんの家に来ていた。
今度は間違いじゃなく故意に。
「どうしたんですか?」
「優斗くんの言う通りだった。ジュンは最低な奴だったのぉ~」
自分で言って虚しくなった。
優斗くんの綺麗な手が、あたしの目元にやって来て涙を拭ってくれた時に。
初めて涙が……
頬を濡らしていたことに気づいた。