【短編】メガネ女の悲劇
「か、可奈!?」
気づいたらジュンの前に立っていた。
無駄に高い猫なで声で「だれぇ?」って、こっちの台詞だコノヤロウ。
「何してるの?ジュン」
「なにって……」
浮気だよね。
聞かなくても分かってるよ。
スーっと息を吸い込む。
「なめんじゃねぇーべ!このバッキャローべが!!」
おもいっきり、ジュンの顔面に鞄をぶつけてやった。
ふんっ、田舎っ子をなめんなよ?
目が点になっている二人を睨み付けてから、あたしはその場を去った。