【短編】メガネ女の悲劇
「あっ……ジュン!」
「………っ」
そしてジュンの名前を呼ぶ度に、彼はあたしにキスをしてくる。
まるで名前を呼ばせないように。
―――――――…
――――…
―――…
頭がガンガンする…。
手首で頭を叩きながら寝返りをうつ。
「頭痛い……」
「お水、要ります?」
「いる………って、誰!?誰!?きゃあー!!」
目に入った明らかに〝ジュン〟じゃない人に、思わず叫ぶ。
ジュンは金髪だもん!
目の前にいる人は黒髪やし!