I LOVE YOUが聴きたくて
【あ!そうだっ】

怜樹は、閃いた。

「魅麗」

「うん?」

「もうすぐ四歳になるって言ったね」

その言葉に、魅麗は、ドキッとした。

【とうとう…】

魅麗は、心を落ち着かせた。
そして、静かに頷く。

「うん」

「僕も、お祝いするよ」

怜樹の表情は、とても明るかった。

「え?」

「誕生日!」

「あ、……あぁ」

【なんだ。そういうことか】

魅麗は、かなりドキドキしていたので、予想外の怜樹の言葉に、肩の力が抜け、笑いが出そうだった。

「あ…有難う…」

魅麗は、もう、はっきり言おうかと思っていた。

二人の間に、沈黙が流れる。


怜樹は、魅麗に近寄った。

魅麗は、怜樹の行動が予測できないながらも、離れる理由もないので、怜樹を見つめながら、ただ、黙って立っていた。

怜樹は、魅麗の側にくると、不意に、魅麗を抱き寄せた。

魅麗は、目を丸くした。
怜樹に引かれて、体が引き寄せられる。

怜樹は、魅麗を、強く抱きしめた。


「頑張ったね」

耳元で、怜樹の優しい声が聴こえた。

< 93 / 200 >

この作品をシェア

pagetop