I LOVE YOUが聴きたくて
二人は、お互いに、謝ってばかりだった。




「もう、いいから。わかったから」

「はい」

魅麗は、涙を拭いながら、返事をする。

「僕の気持ち、わかってくれた?」

「はい」

魅麗は、昔のように素直だった。

「良かった」

怜樹は、魅麗の頭を撫でて微笑む。

「よし!安心して帰れるよ。じゃあ、また来るよ」

怜樹は、清々しく笑った。
そして、店を出ようとする。

「あっ待って」

魅麗は、慌てて怜樹を引き止めた。

「ん?どうした?」

「会って。今から、幼稚園に迎えに行くの」
「あぁ。そうなんだ。…。仕事の時間、過ぎてるんだ」

「え?そうなの!?大変!!ごめんなさい。早く行って」

「うん。今度、ゆっくり、会いにくるから」

「うん。気を付けてね」

「ありがとう」


怜樹は、笑顔で魅麗のもとを後にした。
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