新撰組恋絵巻(完)
「はあっ…はあっ…」
しかし、所詮は多勢に無勢。私の身体は既に傷だらけだった。
それでも刀を振るう腕だけは止めない。止めたら最後、自分が斬られて終わりだからだ。
「……こいつッ!!」
「……っ」
一瞬の隙をついて狙ってきた浪士の攻撃を受け止めることができず、腕に激しい痛みが走り、着物を血で濡らしていく。
それでも私は鉛のような腕を振り上げ、その浪士を斬り捨てる。
「この人数相手になんて奴だ…」
十人ほどいた浪士を一人残らず斬り殺した私を見ると男は顔を真っ青にし、そのまま走り去っていった。
――血を流しすぎたのか目が霞み、視界がどんどん暗くなっていく。
そして私はそのまま意識を手放した。