新撰組恋絵巻(完)
無数に転がる浪士達の死体。辺りは血の匂いが充満している。
「とりあえず後片付けしようか」
隊士達に適当な指示を出しながら周りを見渡していると、血まみれの青年が倒れているのを見つけた。
「……」
歳は18ほどだろうか。切れ長の睫毛に薄い唇、顔はかなり整っている。俗にいう美青年というやつだ。
息はしてるみたいだし、どうやら気絶しているだけらしい。
もしかして、これ…全部このコの仕業?
事件に巻き込まれた一般市民には見えないし。
どっちにしてもこのコには話を聞く必要がありそうだな。
そう思った僕はこのコを屯所に連れて帰ることにした。
「山崎君~、いる?」
屯所へと帰ってくるなり僕は監察方の山崎君を探す。
彼は監察方の他に怪我人の救護や病人の看病も担当している。