Mind of ice

白と黒

「ここに、また白と黒魔法の壁があるの。」

反唱魔法での壁。それは大きな壁であった。

「反唱魔法には唯一条件があって、反唱する魔法の属性だけは合わせてなきゃいけないの。」

理解に苦しみ始めたベルガスを横目に、更に話は進む。

「火系なら火属性、水系なら水属性という具合に…。結果、反射神経が必要で、魔法使いには不向きな魔法となり、廃れた魔法でもあるの。」

「だが、今回は判ってるわけだから可能では?」

デイルは至極もっともな疑問をなげてみた。

「ここで白黒の違いが…。白魔法は基本的に聖霊魔法で聖霊は精霊であり、属性でなく召喚的魔法なの。
まして時空系は時を操るので属性は「時」なの。
結果、白魔法には反唱魔法は不可能とされ続けたの…。偉大なる黒魔法使いリアーゼ様がテレポを返すまでは。」


(それでも過去に成功しているわけだし、可能では?)

デイルはそんな事を思ったが、続く話でそれがはかない夢であることを痛感した。
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