天才少年と天然少女
「朔....」

目の前で声がする。
低くて、優しい声。
パパでもママでもない。

「秀ちゃん....?」

顔を上げると、秀ちゃんらしき影がある。

「朔、ゴメン。俺...」

秀ちゃんらしき影はすこし俯いて
私の手を握った。

しばらくそのまま沈黙が続いた。



「ゴメン....。」

秀ちゃんが口をひらいて

私の手を放す。
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