天才少年と天然少女
「え、やだ!待って!秀ちゃん!」

手を伸ばしても届かなかった。

「秀ちゃん!秀ちゃん!」

走って追いかけたけど
追いつかなかった。


さっき握ってくれた手のぬくもりも
次第に消えて

影も一緒に消えていく。


そこで目がさめた。

辺りはまだ真っ暗だった。
「秀ちゃん....」

名前を呼んでみた。
夢の中にも関わらず
とんでもないリアルさだった。

どこかに行ってしまう気がした。
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