STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
「さ、シワになる前に
部屋にかけてきたら?」



のんきな顔で笑う那智。



本当は笑顔で『ありがと』
くらいは言うべきシチュ
なんだろう。



でも別にあたしは那智の
彼女じゃないし、恩を
受けたわけでもない。



だからあたしはお礼も
言わず、代わりに愛想の
ない無表情でこう言った。



「後でいいよ。

さて、いる物は揃ったん
だし、買い物はもういいでしょ。

そろそろ聞かせてくんない、
アンタのこと」



すると那智は少し驚いた
ようにマジマジとあたしを見て、


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