STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
「適当に過ごすわ。

アンタ出かけるの?」



「いや、出かけないけど。

ちょっとやりたいことが
あるから、ここでして
いいかなって」



「やりたいこと?」



那智がこんなふうに聞いて
くるのは初めてだったから
少し驚いた。



でも、



「やりたいならやればいいわ。

だってここ、アンタの家
じゃない」



「まぁそうだけどね。

――うるさいかもしれないから」



……は? うるさい?



「……何がしたいの?」



多少警戒して尋ねたら、
那智はフッとかすかに
微笑んで言った。


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