STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
「……いいわよ」



ちょっと迷ったけど頷くと、
那智はニコッと笑って、



「サンキュ。

それじゃ汐音も来るか、
オレの部屋?」



「――ウ、ウン」



ためらいつつも、促される
まま初めて那智の部屋に入った。



でも入ってすぐ視界に飛び
込んできた光景に思わず
足を止める。



「ピ、ピアノ!!?」



室内は予想もしてなかった内装。



あたしに与えられた部屋の
倍の広さはあるだだっ広い
床の中央に、ドンと構える
グランドピアノ。



その向こうは窓。


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