STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
反射的に一歩後ろに下がる
あたし。


……でも後ろはシェルフが
あって、ガシャッと音を
たてて開けたままの戸に
ぶつかった。



「あ………!」



「プッ……動揺してんの?

カワイイなぁ」



「し、してな―――!」



声を遮って、那智が一気に
距離を詰め、あたしを抱き
すくめる。



「ちょっ、離して……!」



「ダメ。

だってもうオレ
誘われちゃったもん」



「だ、だから誘ってない
って言ってんでしょ!?」



アンタが勝手に誤解した
だけでどんどん突っ走って
んじゃないわよっ。


_
< 155 / 396 >

この作品をシェア

pagetop