STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
和樹は『ふぅん』と曖昧な
返事をした。



そして――あたしの肩を
しっかりと抱いたまま、
こう言った。



「俺は聞いたけどな。

――娘が急きょ帰国する
ことになったから、出迎え
パーティーだって」



「え……………?」



頭が、一瞬動きを停止する。


まるで――そう、瞬間冷却
剤でも注がれて、凍って
しまったかのように。



(何………? 

今、なんて――…?)



「休暇の間だけだけどな。

何でも向こうでボーイ
フレンドとバカンスに
出かける予定だったのが、
土壇場でフラれて。

ヘコんで帰って来るから、
明るく迎えてやりたいんだと」


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