STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
「情けなくなんか……ない……」



嘘をつかれてたって
ショックはいつの間にか
薄れてきてた。



代わりに沸き上がるのは、
不思議な切なさ。



――那智の苦しみ、悲しみ。



その大きさが、あたしには
わかる。



だってあたし達は同じだから。



知らず知らずのうちに
あたしが那智に惹かれてた
のも、どこかでそれに
気づいてたからかも
しれない――…。



あたしはそう思ってたけど、
那智は苦笑いの表情を
変えず再び言った。



「情けないよ。

結局はオレは、家を捨てた
くせに少しも過去と決別
できてないだけなんだ」


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