STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
「那智…………」



「高瀬の名前も捨て、夢
だったピアニストにも
なれたのに、頭の中じゃ
いつも昔のことばかり考えてる。

舞にも“過去に囚われて
どうするんだ”っていつも
言われてた。

それでもオレが何も変わら
ないから、とうとう愛想
つかされたよ」



わざとおどけたふうに言う
顔がとてもはかなく見えて、
あたしは思わず腕を伸ばし
ギュッと那智の体に抱きついた。



「―――し、汐音?」



とまどう那智にかまわず
さらに強くしがみつき、
思いのままを伝える。


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