ラストゲーム
「転校生、イケメンらしいぜ!!隣のクラスの奴が言ってた!」
―ガラガラ―
先生が教室のドアを開ける…と、同時にざわついていた生徒たちが一斉に席につく。
「あー…今日は、新しいクラスメイトを紹介する。入れ。」
先生が言う…が、待っても一向に入って来る気配がない。
「…??どうした伊野瀬。早く入れ。」
先生がドアを開ける。
「だから、こっちだって!!」
少し向こうで、誰かの叫ぶような声が聞こえる。
『いーや。絶対こっちだね!!』
…ランプルの声は、普通の人には聞こえないし、姿だって見えない。
「おーい。伊野瀬。どうした。早く来い。」
先生が手を振りながら言う。
「ん…??あ!!そっちだったのか~」
俺が全速力で先生の方に向かう。
『だから言ったのに……。』
ランプルがそっぽを向きながらふてくされたように呟く。
「何か言ったか??」
『いーや。何も。』
(…??変な奴。)
俺がそんなことを思っていると、先生が居る教室につく。
「どうしたんだ?あんな所で大声だして。」
先生が聞いてくる。
(そうか…先生にはランプルが見えないんだ…)
「あ…いや…道に迷いまして…ははは」
俺が微苦笑しながら言う。
「迷った!?ここ一本道だぞ!?」
先生が大きく目を見開く。
「すごい方向音痴だもんで~」
俺が頭をかきながら、言う。
「…はー…かわってねーなー…ま、入れ。」
先生がそう言って、俺を教室の中に入れる。
(昔からって、…どういうことなんだ…?)
ランプルがそんなことを思っているのもしらず、俺がトコトコと教室の中に入る。
「あーっと…伊野瀬 竜”っす。ヨロです!」
皆が唖然と俺の方を見る。
…まあ、ほこりやらいろいろついて汚れた制服みりゃー、誰でもそうなるだろうな…。
「んじゃ、伊野瀬の席はあそこな。」
「ほい」
先生に適当な応答をして、席につく。
「…ども。伊野瀬竜です。ヨロ。」
俺がもう一度隣の席のやつに自己紹介する。
隣の席のやつは、机に顔を突っ伏していて、眠っているように見える。
「…伊野坂 しんじ。」
隣の奴がいきなり口を開く。
今まで、寝ていると思っていたから、突然のことに驚く。
「お前、女だろ?」
突然聞かれる。
「へ…あぁ…」
―ムクッ―
隣の奴が顔を上げる。
(れ?)
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