ラストゲーム

学生寮…って?

―ガラガラガラ―
しんじが重たい扉を開く。
教室の中は、カーテンが締め切られていて薄暗く、全体的に空気がどんよりとしている。
「こんちわー!」
…しんじの後ろから、能天気な声が教室内に響き渡る。
「部長。その人誰ですか?」
少しの間があった後、しんじより少し身長が低い男の子が聞いてくる。
「…転校生。」
しんじがそっけなく答える。
「わー…すげーすげー!!!星いっぱいじゃん!!!」
…まあ、そんな中でもテンションが高いのが一人…。
天井に張ってある、正座のシールでテンションがあがる人って…
「なあなあ!!!ここって夜、そんなに星見えんの!?」
俺がすごいテンションで男の子に聞いてくる。
「え…あ、はい。さすがにここまで綺麗には見えませんけど…」
男の子がオズオズと言う。
「そーなんだー…みてみてーな!!!俺本物の空とか見たことねーから!」
俺が笑いながら言う。
「え…???空なら、外見ればいいんじゃ…」
そう言って、男の子がカーテンを開ける。
「あー…うん。まあ、確かに。ま、今の気にすんな!アハハハハ」
俺がものすごいテンションで言う。
「…えーっと…あなたって、新入部員なんですか?」
男の子が聞いてくる。
「へ?あー…そうそう!新ニュー部員新ニュー部員!!!」
「…そ、そうなんですか…あ。俺、副部長の“神埼 春馬”です。」
男の子…春馬が言う。
「あ。俺は、伊野瀬 竜!!!ヨロ!!!」
俺と春馬が軽く握手する。
「この部活って何すんだ???」
俺がいきなり質問し始める。
「え…あ。この部活では、夜に皆で集まって星の観察をしたり、写真を撮ったりしてるんです。」
春馬が丁寧に説明してくれる。
「あー…夜は無理だなー…」
俺が小さく呟く。
『夜は仕事あるもんな。』
ランプルが言う。
(イラッ…こいつは…またいらんことを…)
握り締めたこぶしを必死に抑える。
「あ。そうだ。伊野瀬さん。伊野瀬さんは、まだ部屋きまってませんよね?」
春馬が聞いてくる。
「部屋ぁ???」
「はい。学生寮の部屋です。」
春馬はそう言って、地図のようなものを取り出す。
「えーっと…今あいてるのは…」
春馬の動きが瞬間停止する。
「ここか…」
(…????)
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