ラストゲーム
「どこだよ???」
俺が地図(?)を覗き込む。
「…部長。部長の部屋、3人部屋ですよね?」
春馬が聞く。
「………ああ。」
しんじが短く答える。
「もう、そこしか空いてないんで、…伊野瀬さん。735号室行って下さい。」
そう言って、春馬が鍵を渡してくる。
「735号室。」
竜が言う。
「…あ…そっちに言うじゃなくて、歩いて行くほうの行くです。」
春馬が少し困りながら言う。
「プッ…」
しんじが思わず噴出す。
「え?あー…そっちね。」
そう言って、部室を後にする。
「…伊野瀬さん。そこ、左です。」
春馬があきれながら言う。
「れ…???そうだっけ。」
そう言って、左に曲がろうとする…と。
―ゴッチン!!!―
盛大に、何かとぶつかる。
「いって―!!!!!!」
『い――――!!!!!』
…ぶつかったのは、ランプルとだったようだ。
「…ってーな!!!ランプル!!!そんなとこ飛んでんじゃねーよ!!!」
俺が頭を抑えながら言う。
『ど、どこを飛ぼうが、俺の勝手だろ!!!』
ランプルが泣き目になりながら言う。
「クスクスクス。」
しんじが、笑いを押し殺すように下を向いている。
「…はー…。僕が案内しましょうか?」
春馬が言う。
「マヂで!?サンキュー…むぎゅっ。」
俺の言葉が途中で切れる。
「…俺が行くからいい。」
しんじが俺の首に自分の腕をまわし、俺の体を自分の方に引き寄せる。
「……クス。」
しんじがランプルの方を見て不敵に微笑む。
「へ…???」
俺がランプルとしんじを見比べる。
『…!!!お前…まさか…!?』
瞬間、ランプルが空中で固まる。
「…さー…どうだかな。」
しんじはランプルにそう言うと、その場を後にしたのだった…。
『…まさか…いや…そんなはずは…』
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