可愛いあの子は危険生物<短>


『撫で撫でしてぇ』

甘えた声で擦り寄られれば、拒む事なんて出来ない。

『むふ〜新君の手好きぃ』

本当に、猫のようだ。

自分から俺の手に頬を擦り寄せて、目をとろんと落とす。

畜生可愛い。


『ゴロゴロ〜』

「……っと、おい…っ」

床に押し倒されてしまった。
るるかは俺に抱き付いたまま眠そうに欠伸をひとつ。

『眠くなってきたぁ…。寝よっか…』

こてん、と頭を前に倒して、俺を抱き枕代わりにきゅうと抱き締める。

やばいやばいやばい!
やばいって!

なんでこんな無防備なんだよ…!
俺彼氏だぞ!男だぞ!


安心しきった顔で寝息なんてたてないでくれ。


腕の中で小さく眠る君に、キスしたり、触れたり撫でたり、色んな悪戯をしたくて仕方ないのに。


「信用されたら出来ないだろ…」

腕の中にすっぽり収まる小さい体。

腕なんて細っこくて。
力いっぱい抱き締めたら折れるんじゃないのか…?

あぁ危なっかしい。


君に危険が及ばないように、俺が精一杯守ってみせるから。


「やっぱちょっと悪戯」

頬にしたキスは、守る料金前借りって事で。


「おやすみ猫さん」




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