可愛いあの子は危険生物<短>
『ぶぅ…なんで無視するのよぉ』
俺より30センチ程下で、柊るるかが、ぷくりと頬を膨らましている。
え?何これ夢?
あ、つむじ綺麗。
……じゃなくて。
「ひ、柊さん?どうしたの?」
『新君がそこに立ってるからっ!とおせんぼのつもりでしょっ』
ぷんぷん…と言う風に俺の太ももに二度パンチをする。
くそっ、可愛い。
なんだその小さな握りこぶしは…っ
「てかなんで下の名前…」
『ん?同じクラスなんだからいいでしょ。嫌だった?』
「い嫌なんてそんな事…!」
寧ろ嬉しすぎる。
しかもなんなんだその上目遣い!
反則だろうがっ!
『そかっ。えへ〜良かった』
にこっと笑った彼女に、俺はもうノックアウト。
『あれぇ…新君トイレ?授業始まるよぉ』
「いや、ちちちょっと急用…!」
俺は顔……てか鼻を押さえてトイレへダッシュ。
柊るるかの笑顔を見て鼻血を出したなんて恥ずかしくて言えない。
ビバ同じクラスっっっ!!
…なんて、心の中でガッツポーズできたのは、今後起こる事を知らなかったから。