【短】だいきらいなあなた
「ユーゴ、抱いて… 」
あたしは両手を広げた。
するとユーゴは、迷いなく、あたしを思いきり抱き締めた。
攻めるユーゴ。受け入れるあたし。
すっかりきれいになってしまった1LDKで、あたしとユーゴは抱き合った。
視界に茶色い段ボール箱がチラっと入るたび、
あたしはぎゅうっと強く目を閉じた。
ユーゴのキスを受け入れたときと同じ様に。
ねぇ、最後だって、わかってる?
あたしは未来が見えない。
ユーゴとの未来が見えない。
ユーゴの未来に、あたしはいない……
何故か、確信してるあたしがそこにはいた。