エールミー!
***



どうしたんだろう、この空気…

厨房の仕事が休憩に入ったから、咲坂くんのところに行ったんだけど…

途中から話を聞いていたから、何の話かわからない。
でも会話の内容が、咲坂くんのことだったことは、途中からでもわかったし、何か大事なことのようにも聞こえた



「なんでもないよ」

咲坂くんは私に顔合わせずそう言う。

…なんでもないことないじゃん

でもそう言われたら、これ以上踏み込めない

咲坂くんと近づいたと思っていた距離は本当は全然遠かった


「そっか」

声が震えて、涙が出そうになる

運が悪かったのかよかったのか、携帯のバイブが鳴り出した

「先輩からメール。最終リハーサルするから来れる奴は来い…だって」

「…じゃあ行くか」

「うん」

< 76 / 78 >

この作品をシェア

pagetop