片翼の天使(短)
眠れないまま学校へ行くと、キラの机がなかった…。

『カナエ!キラの机がないよ!』

慌ててカナエに駆け寄ると、不思議そうな顔で私を見て、

『キラって誰?』

え?どういうこと?

『ちょっと、ふざけないでよ!』

教室中を見渡してもキラの姿はどこにもないのを確認して、教室を飛び出した。

‐屋上‐

いつも2人で話してた屋上なら会えるかもしれない。

カナエだけじゃなく、皆に聞いても知らないと答えてた。

どうして?

不安でいっぱいになる。

屋上の扉を開けると澄んだ青空と太陽の光に目がくらんだ。

とても穏やかで、グランドにいる生徒の声が聞こえる。

でも、キラの声は聞こえない。

どんなに探しても姿がなくて…

いつもの笑顔が、どこにもなくて…

どうして皆がキラを知らないのか、どうして急にいなくなっちゃったのか、頭が真っ白で、ただ立っていることも出来なくて、

その場に泣き崩れた。

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