SWEET BUTTERFLY
「時給もつかないのにサービス残業するほど私は優しくないの」と軽く舌を見せた私に、彼女はブーブー文句をたれた。
「これから朝まで私一人なんて淋しい。
こんな深夜に怖い人来たらどうしよう…」
「じゃあ、勤務時間を変更してもらいなよ。
でも、店長も店長だよね。女子大生の深夜勤を認めるなんて…」
呆れてる私に、彼女は他人事のように頷く。
「私より若月さんのほうがシッカリしてるから
若月さんなら深夜に一人でも危なくなさそう…」
それは嫌みか?なんて思いながら笑い返した私の背後から「バーカ」と聞き慣れた男の子の声がした。