Color



今日はほんとに、何度目かわからないけどまたうるっとした。

そして、今にも泣きそうなあたしに春は優しく笑って、


「俺は、ずっと覚えてた」

そう口にした。


もう、その言葉だけで、あたしは満足だと思った。

忘れてないなら、それでいい。

約束が果たされなくたって、今の言葉だけで、あたしはもう十分。

ただ、この先もずっと、あたしたちふたりの小さくて細い約束を覚えていて欲しい。

頭の片隅にでもいいから、置いといてほしいよ―――…。


小学1年生だった頃。

あたしには、春を好きになる前に、好きな男の子がいた。

休み時間とか一緒に遊んだりしていたから、仲は良いほうだったと思う。






< 191 / 309 >

この作品をシェア

pagetop