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「ふーん。良かったな」

声がした方に振り返ると、


「…先輩!?」

ポケットに手を突っ込んだ先輩がこっちを見ていた。


「み、見てたんですか!?」

先輩に駆け寄り、そう聞くと先輩は背を向けて何も言わずに歩き出した。


…無視かよっ!

やけに歩くのが早い先輩に、あたしは必死でついて行った。

そのあと、あたしが話しかけても、先輩はどこか素っ気なかったり、上の空だった。


…何かあったのかな?

そう思ったけど、なんとなく首突っ込んじゃいけない気がして聞けなかった。





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