最低の恋を、してみました。
ナオはそう言って、あたしにハサミを渡した。



散髪用のハサミじゃなくて、普通の紙切りバサミ。



「雑誌とか新聞とかないの?また掃除機かけなアカンようになったら嫌やし」



ナオは雑誌を開いて差し出した。



「これはナオが持っといて。ちゃんと受けてや」



ナオはするするとあたしの前に入り、ちょこんと座った。



自分だけコタツに入る。



あたしはナオの後ろに立て膝。



「じゃ、切りまぁす」



ナオの髪を少し掴んだ。



柔らかくてサラサラの髪。



染めてないのに栗色。



人ってこんなに恵まれて生まれられるもんなん?



でも、ナオにも残念な箇所はある。



チビ。



まぁあたしにチビとか言われたくないやろうけど。
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