秘密な結婚
『俺を信じて。
もう少し待って。
俺達の事、認めてもらえたら
必ず堂々と夫婦だと
言えるようになるから。
本当に、……信じていて』
拓真は毎日の様に
私に信じて、と言う。
信じてる。本当に。
………だけど……。
――「まあ…、パシフィール電機の……
息子さん………?」
拓真からのプロポーズを承諾した週の日曜日、
彼は私の家に結婚の了承を得るために挨拶にやってきていた。
「はい。
相続と後継の関係上、しばらくは結婚を内密にしなければなりません。
お恥ずかしい話ですが、
内部派閥もありますので
紗和さんを巻き込んでしまうのでは、と心配なので……。
だけど、必ず説得して紗和さんを僕の妻だと言える様にします」
父と母は、彼の話に顔を見合わせて心配な表情をしていた。