秘密な結婚
「…そんな顔、するなって。
婚約者がどうとか、関係ないだろ?
今、俺はすでに紗和と結婚してるんだから」
そう言って笑いながら私のおでこをコツンと叩く。
そう。……そうなんだけど……。
……怖いの、彼女の存在が。
いつか拓真を連れ去られてしまうんじゃないかって。
「じいさんは俺の味方なんだ。
紗和にも会いたがってる。
だけど、祐希奈の両親と
俺の両親、そして、祐希奈本人が
俺と彼女の結婚を望んでる。
じいさんの出した条件は単純なものだよ。
じいさんがパシフィール内部とエムアイの全ての人間を説得するまで、俺達の結婚を誰にも言わない事。
もし、知れたら、
……紗和を諦めて
祐希奈と結婚しろって」