こちら広報部




一人でしょげて
とぼとぼとテントへ戻ろうとした時


「おーいっ!蘭ちゃんどこ行くんー?」


大きな大きな叫び声が聞こえた。


そりゃあもう、周りの人が
「なに事っ?!」と驚いているくらい。

そんなこと気にもとめていない様子の葵君は、うちが周りの人の視線で
固まっていることにも気付かずに


「あれっ?おーぃ、蘭ちゃーん?」

と呑気に言ってくる。



「ちょっ!葵君、なに叫んでんの!!」



恥ずかしい恥ずかしい!!

「なになに?」
「ってか、あの人ちょーかっこいい!」
「横にいる人彼女かなぁ」


みんなの視線は
葵君と一緒にいるうちにも来るわけで

大勢の視線を独り占め。
もっと他のことで視線を独り占めしたかった。



それにしても…周りの視線が痛い……。


穴があったら入りたいとは
まさしくこの状態のことだろう。




そんなうちの気持ち、これっぽっちも気付いていない葵君はというと……
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