「ごめん…俺…」
別にいいよ…そう言おうとした。その方が身の安全だから。でも。あたしの口からは、声が出てこなくて。ただ口がパクパクとなっただけだった。
「…なんだよ?お前、声出ないのか?」

蓮に尋ねられたら。でも、あたしは頷きもしなかった。出ないのは事実だし、アイツの歪んだ愛のせいだと分かっていたから…。
「…お前、病院行くか?」

え…?外に出れるの?あたしは、この檻からの脱出を何度も試していた。だから、この提案はものすごく嬉しいものだった。慌てて、頭を縦に降るあたしに、蓮は頷いて、準備をし始めた。
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