そのプレゼント、プライスレス
喉がひくつく。
やっとのことで、声をしぼりだす。
「…た、誕生日、
……あ、愛、欲しいなぁ…」
夜の闇に、私の小さな声がのまれていった。
「えっ? 俺の?」
「―――っ、」
そう言われると、自分がなんと恥ずかしいことを言ったんだと改めて思い知らされて、思わず彼の手を離して、足早に彼の先を歩く。
ああ、なんて、なんて恥ずかしいことを言ってしまったんだ!
もう消えてしまいたい消えてしまいたい。今なら恥ずかしくて爆発できる。
もう、泣きそうだ。
カツカツとヒールが虚しく鳴る。
「―――――、」
ふいに、
彼が私の名前を呼んだ。
振り返る暇もなく、
彼が、
後ろから、
きつく、
私を、抱きしめた。
(私を包む、君の、やさしいかおり)
*わたしの欲しいもの。*
