そのプレゼント、プライスレス

言うとしたら、多分、今なんだろうなぁ。


意識すると、余計言葉が出てこない。


ああ、手が、汗ばんでびちゃびちゃだ。


も、もう、どうにでもなれ!



「――あ、あのね」



立ちどまって、手を繋いだまま彼を見上げる。

不思議そうに彼は首を傾げる。


そのふわふわの髪も、おおきい手も、優しく笑う顔も、優しくて努力家で、ちょっとプライドの高い君の性格も、ぜんぶぜんぶ、愛しすぎる。



「………っ、」



ああもう、泣きそうだ。


声が、詰まる。


泣きそうな顔を見られたくなくて、下を向く。



「え、なに?」


私が何を言おうとしているか把握できているはずもない彼は、不思議そうに私に問う。


顔どころか全身に熱が回って、頭がぐるぐる、心臓もばくばく。


でも、多分、きっと、これを言ったら、


何か、変わるよね?



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