好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
後から続々と入って来る7人。

私の隣に座ったのは、しかめっ面の男。

席に着くなり、舌打ち。



「何をイライラしてるのよ」



そんな彼に、目の前に座る女性が声を掛けた。

隣からは、「いつもキャーキャー煩いんだよ」と聞こえた。

“いつもキャーキャー”?

…あ。

普通にしてたら、カッコいいってわかる。

モテるのが嫌なのだろうか。

まぁ、どうでも良いけど。

業務開始のチャイムが鳴り、私たちは立ち上がった。

課長に体を向けば、ニコッと笑う。

隣の男も、こんな人なら良いのにね。

…はぁ。

何を考えてるんだか。
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