チャラ男に恋したなんて本当にバカだ。
瀬南のおかげで帰る頃には綺麗サッパリ、気分も良くなっていた。
あ、瀬南(せな)はあたしと常いちみたいなもんでクラスも一緒。
あたしのまとめ役は瀬南にしかできないって周りが言うくらいしっかりしてる。
うん、確かに頼りになるしね。
「千依果、もー平気?」
「うん!ありがとうね~、まだ未練残ってるっちゃ残ってるけど泣く程でもないわ」
「そっかー。ま、イケメン捕まえて見返したろや!」
「あったりまえー!んじゃ今日はありがとう♪また明日ね」
「あーい、ばいばーい」
……とは言ったものの。
あたしそこまでポジティブじゃないわけよ、恋愛に関しては。
帰ったら病むだろうし思い出も簡単に捨てられないだろうな。
何がそこまで好きかって聞かれるとなんだろ……ってなるけど、なんていうかー。
最低な奴ほどみんな忘れられないんだろうなー。
難しくできやがって。
「ふぅ……」
電車に揺られながら流れゆく景色を見つめた。